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こんにちは。黒桜の隠居地です。 コメント大歓迎です。
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プロフィール
HN:
黒桜夢洸・ヴェン
年齢:
33
性別:
男性
誕生日:
1990/07/22
職業:
ゾンビハンター×土蜘蛛
趣味:
お 昼 寝
自己紹介:
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 このブログで使われる作品は、株式会社トミーウォーカーの運営する
『シルバーレイン』の世界観を元に、
株式会社トミーウォーカーによって作成されたものです。
 イラストの使用権は作品を発注したお客様に、
著作権はそれぞれの絵師に、
全ての権利は株式会社トミーウォーカーが所有します。
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黒桜夢洸半生。

※PL設定ですのでここの情報を反映させないようにお願いします。
 お手紙などで会話するときに、そんな事件もあったなどのコメントは構いません。
 また此方のブログへのコメントも構いません。その際RPしていただいても構いません。

それではお暇な方はどうぞ。



 

―1.命令―


 


―――。


『―――クリア(戦域確保)、ダメージリポート(損害評価報告)を。”ミラノ公”』


 


『問題ないわ”イクス神父”。それより、どうしましょうかね。』


 


今にも崩れ落ちそうなほどに燃え盛るサンタジェロの城。
一人の機械人形の猟犬と共に居るのは美しい女だ。
女は、銃弾で蜂の巣にされた今や肉の塊になりかけている黒尽くめの男のほうへと歩み寄った。


『―――ミラノ公、そいつはアサシン(暗殺者)だ。近寄ることは推奨しない。』


『大丈夫よ。』


――女は俺の方へと近寄ってきた。
もう終わった。”兄弟”も”家族”も皆殺された。


―――せめてこの女だけでも殺してやる。


 


『――ミラノ公!』


 

機械化歩兵の叫びに似た声が響き渡ったとき、
俺はかろうじて動いた右腕でナイフを抜いた

―――が、

俺の短剣は、女の眉間を捉える寸前で止まっている。


俺は、臆しているのか?女の剃刀のように鋭い瞳が俺を見詰めている。


 今にも引き金を引きかねない猟犬に、女は優しく手で制した。


 


 


 


『私を殺したいのね。解かるわ。でも、それならもっと簡単な方法があるわ。』
『私のやるべきことを手伝いなさい。全てやり終えた後なら…こんな薄汚れた命、くれてあげる。』


 


『―――……。』


 


『私の命令に従いなさい。あなたの命は私が頂く。』


 


『……。』


 


 


『―――この世界を良くしましょう。人間を害する全てを排除するのです。貴女もきっと、気に入るわ。』


 


 


 


―――俺は決めた。


 


 


世界のために、こいつを殺す。


 


 


 


 


―2.誕生―


 


父親は冷蔵庫の中で育った。


母親は身体の一部を生きてるように見せかけた機械。


 


 


だが兄弟は居た。


 


『ローザリア。』


『あ。夢洸お兄ちゃん。』
『あは、お兄ちゃんまたご飯零したの?シミが消えてないよ。』


『……ああ。”洗濯”はしたんだけどな。まだ、シミ見えるか。』


薄桃の髪。それに対して俺は、黒髪。
俺たちの『親』は、それぞれNo.で組み分けされている。
俺はたまたま倭人のDNAを使わされていたため、日本人の扱いになる。
西洋風のローザリアとは偉い違いだ。
俺たちは生まれてから10年は培養液に浸されて生きる。
この『塔』…またの名を『施設』では。人間の中でいかに『能力あるもの』を作れるかと言う実験を長く続けられていた。
羽根の生えた人間、身体の一部が武器にされた人間、内臓が全て表裏逆の人間。
人造人間の施設で、俺は15年の時を過ごした。
此処が何処か知らないし、知ろうとも想わなかったけど。
不満はなかった。


 


そんななか、俺にいつもとっついてくるローザリアは


眼球、視力を全て機械化されていた。


瞳と言う暗い液晶網膜の中で紅いレーダーがぎょろぎょろと動いている。


 


『お兄ちゃんはいつもそそっかしいんだから。』


 


 


 


『大好きだよ。お兄ちゃん。』


 


 


 


―――俺は、人間だ。


 


 


 


 



―3.愛―


 


『やめろおおおおおぉぉおおおオオオオ!!』


 1C0AB278_10A3621E_315EFC49-230-jpeg.jpg


気がついたら俺は感情をまるで失った機械歩兵と対峙していた。
施設が”教皇庁”へと露になってしまったため、総戦力でこの事実と施設の証拠をもみ消すつもりだ。
人間を改造するなどと、神を信仰するヤツなら当然黙っちゃ居ない。
もう何人もの兄弟も死んだ。研究者も死んだ。
俺は施設…【サンタジェロ】の死守にあたった。

 


俺は見た。


降参して集まる兄弟を焼き殺す様を。


人間に近い女は犯され殺された。人間に近い男は笑う兵士達に遊ばされて殺された。


 


アニスが、ベリーが、オリヴァンが、ティリスが、リーンが、アウデスが、ハミルトが


カバインが、スリグレンが、ウルドが、クルイツがミリイがクライアがベレスがアンナが


料理上手かったボルドーが服作ってくれたメリルがいつも慰めてくれたフォートンが


秘密基地作ったドリスが俺といつも喧嘩したヴォルスが俺に初めて好きっていってくれたミントが


ローザリアがローザリアがローザリアがローザリアがローザリアが


 


 


『あああああああああああああああああああああああああああアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa』


 


 


俺は人を殺した。兵士も神父も尼も殺して殺して殺した。次々と殺した。


男を殺した、女を殺した、子供を殺した、乳子も殺した、羊も殺した。


殺して殺して殺して殺して殺して


 


気がついたら―――。


 


俺は、蜂の巣になっていた。


 


 


 


 


 


 


―4.神父―


 


『クロム神父。コードネーム【デス・ペラード】』


 


『はい。』


 


『イクス神父の部下は辛かったでしょうけど、殆どイクス神父の技術を貴方に与えたつもりよ。』


『ありがとうございます。』


 


『初命令になるわね。』


『何なりとお申し付け下さい。』


 


 


あれから2年。 


この女とはいくつも会話を交わした。


俺に今も、この女を殺す意志があるのかどうか。

俺の脳内には幾つモノチップが埋め込まれている。
1億年分の記憶と、ウェポンデータ、戦闘経験を入れ込める四次元ポケットみたいなもの。
ウェポンデータを復元させ、魔法で具現化させると、その武器を扱うことが出来る。
読み込みには少々時間を要すが、その間に隙を作ることはない。

いわば俺は、コンピュータ戦車みたいなものだ。

しかし俺はこんな力など使う気は毛頭となかった。




『デス・ペラードに命じるわ。銀誓館学園へ潜入、その後、能力者たちの殲滅よ。』





矢張りこの女は 殺す。






俺は”人”を愛していた。そしてなにより”友達”を”家族”を愛している。

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